キッチンカーで儲かるメニューとは?メニュー考案のポイントも解説
2025.12.29
- 飲食店の開業

キッチンカーで利益を出すために重要なのは、流行っているメニューを選ぶことではありません。
実際の現場では、「売れているのに儲からない」「回転が思うように上がらない」といった悩みが多く見られます。
特に、飲食店経営の経験がある方や、実店舗からキッチンカーへの転換を検討している方ほど、メニュー設計を実店舗と同じ感覚で考えてしまい、結果的に利益が出にくくなることもあるでしょう。
そこで本記事では、キッチンカーで儲かるメニューの特徴や具体例、経営で押さえるべき数字、メニュー考案のポイントを解説します。
キッチンカーのメニュー選びでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
キッチンカーで儲かるメニューの特徴
キッチンカーで儲かるメニューに共通しているのは、味や見た目以上に「提供のしやすさ」を前提に設計されている点です。
限られたスペース、人員で安定した利益を出すには、調理工程や提供スピード、原価などのバランスを取ることが必要になります。
まずはキッチンカーで儲かるメニューの特徴からチェックしていきましょう。
定番メニューである
キッチンカーで安定して売上を伸ばしやすいのは、老若男女を問わず選ばれやすい定番メニューです。
イベント会場や商業施設では、来場者が短時間で購入を判断します。そのため、内容を直感的に理解できるメニューほど注文までの迷いが少なく、来場者に選ばれやすいのです。
結果として回転率が安定し、ピークタイムでも売上を取りこぼしにくくなります。
また、定番メニューは流行に左右されにくいため、一時的な話題性に頼らず需要が大きく変動しにくい点も特徴です。
出店場所や時期が変わっても販売数を見込みやすく、仕入れ量や仕込みの計画を立てやすくなります。
利益率が高い
次の特徴は利益率の高さです。キッチンカーでは調理スペースや人員の関係から、1日に販売できる食数には上限があります。
そのため、数を多く売るだけで利益を確保するのは難しく、1品あたりの利益を意識したメニュー設計が重要になります。
利益率の高いメニューは、価格調整や原材料の変動があっても対応しやすく、利益を確保するための選択肢が増えます。結果として、突発的なコスト増や出店条件の変化にも柔軟に対応しやすくなるでしょう。
提供スピードが速い
提供スピードの速さも、儲かるメニューの特徴です。
まず、キッチンカーは屋外での販売が基本です。天候や気温の影響を受けやすく、長時間並ぶことを避ける来場者も少なくありません。
また、オフィス街やイベント会場など、急いでいる人が利用する場面も多い傾向があります。
提供に時間がかかると行列が伸びにくくなり、販売機会を逃してしまう可能性があります。
素早く提供できるメニューほど回転率を高めやすく、限られた出店時間の中で売上と利益を伸ばしやすくなります。
顧客のニーズにマッチする
キッチンカーは出店場所によって来場者の目的や行動が異なるため、メニューによって売れ方に差が出やすい業態です。
オフィス街やイベント会場では短時間で食事を済ませたい人が多く、商業施設や公園では食べやすさや利用シーンが重視される傾向があります。
出店場所のニーズに合わないメニューは、味や価格に問題がなくても販売数が伸びにくくなります。
客層や利用シーンを前提に設計されたメニューほど注文までの判断が早くなり、販売効率を高めやすくなります。
セットにしやすい
セット売りができるメニューは、客単価を高めやすい点も特徴です。
キッチンカーを利用する来場者は、限られた時間や環境の中で食事を選ぶケースが多く、一度の購入で満足できる内容を求める傾向があります。
セットメニューが用意されていると、組み合わせを考える手間が省け、購入判断が早くなります。
単品注文よりも金額が上がりやすく、提供の流れも整理しやすくなるため、売上とオペレーションの両面で効率を高めやすくなります。

【ジャンル別】キッチンカーで儲かるメニューの具体例
キッチンカーで扱われるメニューには一定の傾向がありますが、いわゆる「儲かるメニュー」がそのまま再現できるわけではありません。意識したいのは、「なぜそのジャンルが選ばれやすいのか」という構造への理解です。
ここでは、実際の現場で採用されやすいジャンルを例に、キッチンカー向きとされる理由や注意点を解説します。
食事系
食事系メニューは「一食として成立するかどうか」が重視されやすく、ランチ帯やイベント会場などで安定した需要が見込まれるジャンルです。
キッチンカーでは調理スペースや人員が限られるため、仕込みや提供の流れを組みやすいメニューが選ばれる傾向があります。
- 丼もの
- カレー
- 麺類
- サンド系メニュー
- プレート系メニュー
これらは、事前仕込みがしやすく、盛り付けや提供工程を一定化しやすい点が共通しています。
一方で、ジャンル自体の人気だけで判断すると、提供スピードや原価管理が追いつかず、想定した利益が出ないケースもあります。
限られた設備と時間の中で、仕込みから提供まで無理なく回せる設計になっているかどうかを見極めることが重要です。
軽食・スイーツ系
軽食・スイーツ系メニューは、食事の代替というよりも「間食」や「ちょっとした満足感」を求める場面でのニーズがあるジャンルです。
イベント会場や商業施設、観光地など、滞在時間が比較的長い場所では特に需要が見込まれます。
- クレープ
- ワッフル
- 揚げ菓子
- 焼き菓子
- チュロス
以上のメニューは調理工程を簡略化しやすく、提供スピードを一定に保ちやすい点が共通しています。
一方で、原材料や仕込み内容によっては手間が増えやすく、回転率が下がるケースもあります。
さらに軽食系は、「食べ歩きや持ち運びのしやすさ」も考慮すると、顧客のニーズを満たせるメニューになるでしょう。
ドリンク系
ドリンク系メニューは、調理工程が少なく提供スピードを上げやすいことから、キッチンカーでは扱いやすいジャンルの一つです。
食事や軽食と組み合わせて選ばれることも多く、時間帯や出店場所によっては単体でも安定した需要の出るメニューです。
- コーヒー
- ソフトドリンク
- スムージー
- アルコール類
- 季節限定ドリンク
このように提供工程を標準化しやすく、人員が少ない場合でも回しやすいのがドリンク系メニューの特徴になります。
一方で、単価が低くなりやすいため、価格設定や他メニューとの組み合わせを考えずに導入すると利益が伸びにくいこともあるでしょう。
客単価や回転率とのバランスを踏まえ、他メニューとどう組み合わせるかまで含めて設計することが重要です。

キッチンカー経営で大事な3つの数字
キッチンカーでは売れる数に限界があるため、原価率・客単価・回転率の3つで「利益が出るかどうか」を事前に判断できないメニューは、どれだけ売れても儲かりません。
そこで、キッチンカーの経営で押さえておきたい3つの数字を、それぞれ詳しく解説します。
原価率
原価率とは、売上に対して食材費や容器代などの原価が占める割合のことです。
例えば、1食1,000円で販売し、材料費や容器代が400円かかる場合、原価率は40%になります。残りの600円から、ガソリン代や出店料、人件費などを差し引いた金額が実際の利益です。
- 売価:1,000円
- 材料費・容器代:400円
- 原価率:40%
一般的な飲食店では原価率30~40%が目安とされますが、キッチンカーは出店料や移動コストが発生するため、同じ感覚で設定すると利益が残りにくくなります。
限られた販売数でも利益を確保するためには、原価率を抑えたメニュー設計が欠かせません。
客単価
客単価とは、1人の顧客から得られる平均売上のことです。
例えば、1日の来客数が100人の場合、客単価が1,000円なら売上は10万円、1,500円なら15万円になります。来客数が同じでも、客単価によって売上には大きな差が生まれます。
キッチンカーでは客数を大きく増やしにくいため、セットメニューやトッピングなどを活用し、1回の購入で完結する内容を用意することが有効です。
無理なく客単価を引き上げられるかどうかが、売上と利益を左右します。
回転率
回転率とは、一定の時間内にどれだけの顧客に商品を提供できるかを示す指標です。
回転率は店舗の場合、客の滞在時間をコントロールして調整可能です。一方でキッチンカーでは、席数や営業時間を増やすことができないため、回転率は売上の上限を直接左右します。
提供に時間がかかるメニューは、行列の対応や待ち時間の多さにより、販売機会そのものを失いやすくなります。どれだけ単価や利益率が高くても、回らないメニューでは売上を伸ばせません。
そのため、仕込みや調理工程を減らせるか、提供を標準化できるかといった視点でメニューを見直し、回転率を下げる要因は事前に切り捨てる判断が重要になります。
キッチンカーで儲かるメニューを考える際のポイント
キッチンカーで儲かるメニューを作るには、「どこで・誰に・どれだけ効率よく売って利益を残すか」を基準に考えるのが重要です。
ここでは儲かるメニュー作りのために実際に起こせるアクションを4つにまとめてご紹介します。
出店場所のニーズに合わせる
出店場所のニーズに合わせることは、キッチンカーで儲けるうえで基本的な前提です。
同じメニューでも、出店する場所が変われば「求められるもの」は大きく変わります。例えばオフィス街のランチ帯では短時間で食事を済ませたい人が多く、ファミリー向けのイベントでは年齢層に左右されないメニューやボリューム感が重視されやすい傾向があります。
こうした違いは、実際に出店を検討している場所へ足を運び、周囲にどんな飲食店やコンビニがあるのか、どの価格帯の商品が選ばれているのかを確認したうえで判断しましょう。あわせて、競合するキッチンカーがどんなメニューを出しているかを見ることで、その場所で「売れやすい条件」が見えてきます。
出店場所のニーズを把握せずにメニューを決めてしまうと、味や価格に問題がなくても選ばれにくくなります。逆に、場所と客層を前提に設計されたメニューは、無理な工夫をしなくても売上につながりやすくなります。
原価を抑える
原価を抑えるためには、単に安い食材を使うのではなく、仕入れとメニュー設計を含めて全体で考える必要があります。キッチンカーは仕込み量や保管スペースに限りがあるため、仕入先を最適化しつつ、売れ残りによるロスをできるだけ出さない設計が重要です。
特に開業初期は、メニューを増やし過ぎないことが原価管理の面でも有効です。メニュー数が多いほど食材の種類が増え、結果として廃棄や管理コストが膨らみやすくなります。まずは提供数を絞り、売れ行きを見ながら調整するスモールスタートの方が、原価率を安定させやすくなります。
また、原価率はすべてのメニューで一律に考える必要はありません。
原価率が高くなりがちな肉料理があっても、原価率の低いドリンクやサイドメニューと組み合わせることで、全体としてバランスを取ることが可能です。
個々のメニューだけで判断するのではなく、キッチンカー全体で利益が残るかどうかを基準に設計するよう意識してみましょう。
提供スピードを上げる
キッチンカーで提供スピードを上げるには、現場対応ではなく、仕込みとオペレーションを事前に設計しておくことが不可欠です。対応人数や販売時間に限りがある以上、注文が入ってから考える運営では回転率は伸びません。
具体的には、仕込みを事前に済ませ、現地では盛り付けや仕上げだけで完結する流れを作ることが重要です。複数の工程を同時進行できるメニュー構成や、調理工程そのものが少ないメニューを主軸にすることで、ピークタイムでも対応数を落としにくくなります。
また、会計に時間がかかると提供スピード全体が滞ります。スマホ決済を導入することで現金のやり取りや釣り銭対応を減らし、注文から受け渡しまでの流れを短縮できます。
提供スピードは調理だけでなく、オペレーション全体で高めていく意識が欠かせません。
他店と差別化する
キッチンカーで差別化するために重要なのは、奇抜なメニューを作ることではなく、定番メニューに明確なオリジナリティとコンセプトを持たせることです。限られた出店スペースでは、初見で内容が伝わらないメニューよりも、わかりやすさと独自性を両立した方が選ばれやすくなります。
たとえば、地元食材を使う、本場の味を再現する、ヘルシー志向に寄せる、SNSでの拡散を意識した見せ方にするなど、軸となるコンセプトを先に決めることで、同じジャンルのメニューでも印象に差が生まれます。このコンセプトが曖昧なままでは、価格や味での競争に巻き込まれやすくなります。
差別化はメニュー単体で考えるものではなく、「どんなキッチンカーとして選ばれたいか」を設計することが前提です。
定番だからこそ、他店と何が違うのかを一言で説明できる状態を作ることが、継続的に選ばれるキッチンカーにつながります。
差別化の作り方は「フードトラックで他店の料理と差別化するための具体策5選」を参考にしてください。

キッチンカー経営のことならプロにご相談ください
キッチンカーで儲かるメニューを考えるには、流行や見た目だけで判断するのではなく、出店場所のニーズ、原価率や回転率といった数字、現場オペレーションまで含めて設計することが重要です。
こうした要素を個別に考えるのではなく、全体をつなげて設計することで、はじめて「売れて利益が残る」メニューになります。
スマートイノベィションズのフードトータルデザインでは、キッチンカーの開業支援をはじめ、コンセプト設計、メニュー開発、オペレーションの最適化までを一貫してサポートしています。
キッチンカーでのメニュー作りは判断に迷いやすいポイントです。キッチンカー運営に不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
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この記事を書いた人
販売管理部 取締役
住宅メーカーでの接客・ゾーニング・CAD提案を経て、厨房業界へ転身。以後10年にわたり、大手チェーン店案件を中心に現場調査→プランニング→積算→施工までを一気通貫で担当してきました。設計・施工・運用の全工程を把握したうえで、導入計画と現場オペレーションの整合を取ることを重視しています。
現在は自社製品の販売を統括。お客様の「うまく言語化されていない本音や制約条件」を丁寧に引き出し、レイアウト最適化、導入コストとスケジュール、運用負荷、契約・リスクの確認ポイントまで踏み込んで提案するのが持ち味です。法学部で培った合意形成・契約視点を背景に、コラムでは導入・設置・運用・コスト試算の実務的観点を中心に、現場で役立つ判断基準を解説します。
「ご用聞きではなく、潜在課題の言語化と解決」が信条。プライベートでは釣りとアガベ栽培に熱中し、環境条件の管理や段取りの大切さを日々の仕事に生かしています。

